盗聴法<組対法>に反対する市民連絡会 >
   

取調べの全面的な録音・録画を求め、盗聴法の改悪に反対する要望書

 


法務大臣 谷垣禎一様
法制審議会新時代の刑事司法制度特別部部会長 本田勝彦様

 

 

盗聴法に反対する市民連絡会
神奈川平和遺族会
日本消費者連盟
反住基ネット連絡会
ふぇみん婦人民主クラブ
許すな!憲法改悪・市民連絡会
JCA-NET
VAWWRAC
横浜事件国賠を支える会
日本キリスト教団神奈川教区国家秘密法反対特別委員会
盗聴法(組織的犯罪対策立法)に反対する神奈川市民の会

2013年4月22日



被疑者の取調べの全面的な録音・録画を求めます
盗聴法の改悪に反対します

 

2013年1月29日、法制審議会特別部会は「全面的な可視化(録音・録画)は裁判員裁判が担当する重い刑の事件に限定する」、「可視化の範囲は取調官の裁量にまかせる」との二案とともに、通信傍受法(盗聴法)の対象犯罪の拡大、立会人の廃止、会話傍受の容認を内容とする改訂、刑事免責の導入などの具体的検討にはいることを明らかにしました。

法務省、検察、警察が、取り調べの全面的な可視化を求める世論を無視し、密室での取調べを維持しようと部分的な可視化の導入ですまそうとする姿勢に、私たちは憤りを抑えることができません。
そもそも法制審特別部会がもたれることになったのは、大阪地検特捜部が「郵便不正事件」において厚生労働省の村木厚子さんをでっち上げ逮捕し、証拠改ざん事件をおこしたからです。さらに特捜部長らがその報告を受けながら隠蔽するというおよそ考えられない事件で、社会に大きな衝撃をあたえました。それ以前にも数々の冤罪事件が明るみに出て、取調べが適正に行われているかチェックするために、取り調べの全面的な可視化を求める声がまきおこりました。しかし、捜査機関、法務省は、密室での取調べを維持しようと全面的な可視化を拒み続けています。こうしたなかで遠隔操作ウイルス事件で警察が4名の無実の人を逮捕するという事件がおこりました。検察、警察への信頼は地に落ちています。捜査機関は冤罪事件をひきおこしたことを真摯に反省し、取り調べが適正に行われていることを証明する、全面的な可視化を率先して進めるべきです。

法制審議会特別部会は、取り調べの部分的な可視化を容認すると共に、盗聴法の改悪を検討するということに、私たちは激しい怒りを覚えます。盗聴法は、1999年、世論の強い反対を押し切って制定された違憲の悪法です。制定時、法務省や捜査機関はいままでの捜査では暴力団などの末端組員しか逮捕できない、幹部を逮捕するには盗聴法が必要と強調しました。しかし同法施行以来十数年たちますが、組織の幹部が逮捕されたことなど一件もありません。また2011年には捜査機関の請求により裁判所は25件の盗聴許可令状をだしていますが、このうち半数を超える16件は犯罪に無関係だったこと、さらに通話総数に至っては91%が犯罪に関係のない通話であったことが明らかになっています。いまや、盗聴法の乱用は明らかです。
現在、必要なのは施行以来の盗聴法適用の実態の検証であり、捜査機関の盗聴権限を強化する盗聴法の改悪ではありません。
法制審議会特別部会の作業部会で検討されている盗聴の実施時における立会人の廃止は、最終的に盗聴を第三者の目の届かない警察施設で行おうとするものにほかなりません。また会話盗聴は室内、車などへ侵入して行う盗聴を容認するものであり、電話、メールなどの盗聴以上に幅広く市民のプライバシーと言論の自由を侵害します。盗聴法は、憲法が保障する通信の秘密をおかし、市民のプライバシーを侵害し、表現の自由を規制するものであり、自由で民主的な社会を崩壊させるものです。とうてい許すことはできません。

私たちは、市民の人権と日本の民主主義を確立するために、被疑者の取調べの全面的な可視化を求め、盗聴法の改悪に反対します。