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【見解】
調査捕鯨の不正を告発したグリーンピース職員2名の
逮捕・起訴に対する私たちの見解明

 

2008年8月10日


 

 

日本が国策として進めてきた南極海における調査捕鯨のなかで、不正が行われていたことを東京地方検察庁に告発したグリーンピース・ジャパンの職員2名が、その証拠品の確保を「違法」に行ったとして逮捕・起訴されました。このことは、民主主義を支える主権者としての私たちの在り方を、公権力が抑圧するものであるとの危機感を、私たちは持つものです。

グリーンピース・ジャパンは、船員が鯨肉を横領しているとの内部告発を受けてその告発の信頼性を確認し、2名の職員が告発に必要な証拠品である、乗組員が自宅に送った鯨肉1箱を運送会社の配送所から無断で持ち出したとのことです。彼らは詳細に事実関係を記述した上申書を東京地検に提出し、いつでも捜査に応じることを表明しており、逮捕・拘留の要件である「逃亡」や「罪証隠滅」のおそれのないことは明白でした。

東京地検は、業務上横領の告発状と証拠品の鯨肉を受理し、彼らの逮捕前日まで調査を進めることを伝えていたにもかかわらず、逮捕の日に突然これを不起訴としました。
これらがG8サミットを前に異常なまでの警備と管理態勢を強めていた時期であることを見れば、きわめて政治的な意図によるものであると言わなければなりません。

グリーンピースの2名の職員は自ら責任をとる覚悟のうえで、国内法にも国際条約にも抵触する可能性が高い不正をどうしても明らかにしなければならないとの信念で、鯨肉横領の証拠品を確保したのです。
民主主義国において、主権者である私たち市民には政府の秘密を明るみに出し、不正をただす義務と責任があります。しかし、政府や大企業の不正について市民が情報や証拠をつかむのは至難のことです。他に方法が得られず、「違法」とされる手段をとらざるを得ないこともあります。公権力の過ちを明らかにし、それを正すためには証拠をやむを得ず「違法」な手段で取得することが認められなければ、公権力の不正を正すすべがなく、民主社会は崩壊していくでしょう。世界にはあえて「違法」を侵す勇気をもって民主社会や平和を守った例が幾つもあります。

国策による事業の不正の告発を不問とし、グリーンピースの2名の職員を逮捕・起訴したことは、公権力を批判・追求することを許さず、権力犯罪を隠蔽し、権力側を庇護しようとするものと考えられます。行政や政治家の犯罪が次々と明るみに出ている折から、更なる暴露を恐れて管理を強め、行政批判の団体に圧力をかけようとするものだと推察するのは思い過ごしでしょうか。

これから開かれる裁判で、司法は2名の職員の真情をくみとり、証拠品確保にいたった経緯をつまびらかにして隠蔽されている"調査捕鯨"の全容を解明し、不正が正されることを私たちは心から願い、厳しく注視していきます。

盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会