盗聴法<組対法>に反対する市民連絡会 >
   

【声明】
来日・在日外国人から指紋・顔写真を採取する
日本版US-VISITの実施に反対する声明

盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会

2007年10月24日


 

日本版US-VISITとは、入国審査の際に、特別永住者や16歳未満の外国人・外交官などの例外を除いたすべての来日・在日外国人に対して、特別な機器を用いて顔写真を撮影し、指紋を採取した上、主として指紋データを利用して「要注意人物リスト(WATCH LIST)」と照合するというものです。アメリカでは2004年1月から実施されていますが、日本でも「テロ対策」を名目として昨年「出入国管理及び難民認定法」の改悪によって導入が決定され、今年の11月下旬から実施されることになっています。

私たちは、以下の理由から、日本版US-VISITの実施に強く反対します。

第一に、指紋情報は究極の個人情報ともいうべきものであり、指紋採取は外国人のプライバシーを侵害するものです。日本の法律で指紋の採取をされるのは、現行犯や裁判所の令状によって逮捕された犯罪の被疑者のみです。強制的に指紋を採取することは、外国人を潜在的なテロリスト、犯罪者とみなす外国人差別であり、重大な人権侵害です。

第二に、日本版US-VISITは、2000年4月「外国人登録法」から全廃された指紋押捺制度を復活させるものにほかなりません。指紋押捺制度は、在日韓国・朝鮮人らによる指紋押捺拒否のねばり強い運動によってようやく撤廃されました。それをテロ対策の名の下になんらの検討もなしに復活させることは許されません。

第三に、蓄積された外国人の指紋などの個人識別情報の扱いについては、現行の行政機関個人情報保護法の例外扱いになる可能性が高く、当局の恣意的判断で利用される可能性が極めて高いということです。政府は取得した個人識別情報を70〜80年も保有するとしています。外国人は生涯にわたって個人情報を日本政府に管理されることになります。

第四に、「要注意人物リスト」そのものが人権侵害の疑いがあります。このリストに、誰をどのような基準で、掲載しているのか不明です。日本も利用すると思われる米国のリストでは数万件におよぶ間違いが指摘されています。しかも、異議申し立てやリストからの削除の申し立ての手続きも明らかではありません。

第五に、日米両国によって指紋・顔の膨大な生体情報が管理され、それがどう使われるか分からないということです。米国では、US-VISIT導入後の2年間に摘発されたのはほとんどが一般犯罪者や未登録の労働者で、その中にテロリストがいたという報告はありません。生体情報を集めることが「テロ対策」よりも外国人の出入国管理・在留管理の強化や一般犯罪対策、政治活動、市民運動、労働運動などの監視に使われる恐れが現実のものとなっています。

第六に、このUS-VISITは国連、国際社会からの要請によるものではないということです。

現在、US-VISITが行われているのはアメリカだけで、次いで日本が加わることに国際社会から非難も起こっています。私たち日本人も年間数十万人が訪米し、指紋・顔写真を採取されています。今度は、入国する外国人のうち少なくとも年間600万人の生体情報を日本政府が取得し、利用することになるのです。

私たちは、監視・管理の強化された社会に暮らすことを拒否し、国際社会の平和と友好を築くために、日本版US-VISITの実施に強く反対してその見直しを求めます。