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【声明】
憲法違反のコンピュータ監視法の閣議決定に抗議する

 

2011年3月15日


内閣総理大臣 菅 直人殿
法務大臣   江田五月殿

声明

憲法違反のコンピュータ監視法の閣議決定に抗議する
盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会
ネットワーク反監視プロジェクト

 政府は3月11日、ウイルス作成罪をふくむコンピュータ監視法案を閣議決定しました。
私たちは、この決定に強く抗議します。

 共謀罪は法律に違反することを話し合い、合意すれば、実際に行動を起こさなくても
処罰するという言論・表現行為を規制するものです。それと同じようにコンピュータ監視法の柱をなすウルイス作成罪も、まだコンピュータウイルスかどうかもわからないプログラムの作成段階で処罰しようとするもので、明らかに言論・表現行為を抑圧しようとするものです。共謀罪もウイルス作成罪もまだ被害がでていない段階で処罰しようとする点で一致しており、現行刑法の考え方から逸脱しています。市民社会の自由で民主主義的な発展のために、憲法21条1項で保障されている言論・表現および通信の自由は不可欠なものであり、それを侵害する同法の制定を私たちは絶対に認めることはできません。今回のコンピュータ監視法の閣議決定の背景には、同法を切り口に三度の廃案を余儀なくされた共謀罪の制定をねらう、法務官僚の強い意思を感じます。

 また同法にあるコンピュータの電子データの差し押さえは、対象となる電子データがない場合でもそれとつながるパソコン、サーバーなどをみて必要なデータを複写し差し押さえることができるとしていますが、これは差し押さえの物と場所を明示する令状が必要だとする憲法35条に明らかに違反します。

 さらに同法の捜査当局が裁判所の令状をとることもなく、プロバイダーなどに通信履歴を60日間保全要請できるという規定は、憲法21条2項の通信の自由を侵害するものです。通信履歴は通信内容以外のデータで相手のアドレス、送信日時などがふくまれます。日本では通信の自由は通信の履歴にまで及ぶとされています。同法の通信履歴の保全要請は、憲法21条2項の検閲の禁止と通信の自由の保障に違反します。通信履歴だけで対象者の交際範囲、趣味、信条、思想などを把握できますから、憲法19条が保障する思想・良心の自由をも圧迫することになり、幾重にも憲法に違反しています。
しかも、これは話し合うことが罪になる共謀罪の新設に反対してきた民主党の姿勢を疑わせるものです。

 コンピュータ監視法は、通信の秘密を侵害し、インターネットによる市民の自由な言論・表現活動から思想・信条にいたるまで行政の監視下に置こうとするものです。
私たちは同法の閣議決定に抗議するとともに、同法の制定を許さないために全力を尽くすことを声明するものです。