盗聴法<組対法>に反対する市民連絡会 >
   

【声明】
世論の反対で三度廃案になった共謀罪
テロ対策を理由とする四度目の法案提出に反対します

 


2016年9月12日



盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会

 

話し合うことが罪になる共謀罪の国会提出に反対します。安倍政権は東京オリンピック・パラリンピックの成功のためにテロ対策が不可欠として共謀罪新設法案を臨時国会に提出しようとしていることが報道されました。共謀罪は、法律に違反する行為を実行しなくとも話し合っただけで市民を処罰できる言論・思想処罰法です。それ故に、2003年に国会に上程されながら世論の強い反対の前に三度の廃案に追い込まれました。それを「テロ等組織犯罪準備罪」と名称を変えただけで成立させようというのです。政府は名称を変えただけでなく、適用対象が単に「団体」であったのを「組織的犯罪集団」にかえ、要件を「合意」だけではなく「準備行為」を加え、適用範囲を限定して同法に対する市民の危惧を取り除いたとしています。しかし、これらは自公が世論の反対の前に共謀罪制定が困難と考えて修正案に示したもので、何ら新たな提案ではありません。「組織的犯罪集団」を明確に定義することは難しく、「準備行為」というものもどこまでとするのか曖昧です。しかも対象犯罪も600以上としており、対象を限定したとはとても言えません。

見え透いたオリンピック対策の利用
安倍政権は東京オリンピック・パラリンピックを成功させることを理由に、テロ対策が必要だ、そのために監視態勢の強化が必要だと、言論・思想を統制する共謀罪新設法案の四度目の提出を準備しているのです。政府・法務省が根拠にしているのは「国連越境組織犯罪防止条約」批准のために国内法整備として共謀罪の新設が必要ということです。しかし、この条約は経済的利害を追求する団体、マフィアなどの国境を越える組織犯罪集団の犯罪を防止するために出されたものです。テロ対策として提案されたものではなく、日本の治安状態は警察白書にあるようにかつてなく良好で、共謀罪を新設する立法事実はないのです。しかも日本の刑法は既遂の処罰を原則としています。条約は「各国が国内法の基本原則に従って条約を実施する」ことが明文化されており、実際に、アメリカ合衆国の留保をはじめ多くの国が国内法の基本原則に従って条約を批准しています。オリンピックにおけるテロ対策と称して、共謀罪を成立させようとする暴挙を認めることはできません。

民主主義の基盤である自由な市民社会を破壊する共謀罪
共謀罪が新設されると長期4年以上の刑が科せられるのは、窃盗、詐欺、逮捕監禁、会社更生法、公職選挙法、相続法など実に広範な、市民生活にかかわる犯罪が対象になります。共謀罪が話しあい合意することを処罰するものである以上、盗聴や団体の中にスパイを送り込むことなしに、合意という「犯罪」は立証できません安倍政権が絶対多数となってから基本的人権を侵害し、思想・言論を統制して市民の自由を束縛する法律は、私たちのインターネットによる通信を日常的に監視する「コンピュータ監視法」、共謀罪を内包する「秘密保護法」、一人ひとりに番号をつけて市民を束ねる「共通番号法」、盗聴を拡大した「刑事訴訟法改悪」と続き、監視カメラの大量設置、GPSなどをつかって市民監視が強化されてきました。更なる強化を許すわけにはいきません。

自由に発言、発信し、自由に意見交換できることは民主主義の基盤です。私たちこそ政府の動向を監視し、オリンピックをテコに監視社会化を強めて、戦争法と憲法改悪を推し進めようとする共謀罪新設法案に私たちは強く反対します。