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言論・思想処罰への道を開く与党の共謀罪修正案を批判する声明

2006年5月5日
 

盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会

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与党は、4月21日、共謀罪修正案を国会に提出しました。そして、十分な議論もないままに、数の力で強行採決しようとしています。与党修正案は、本当に世論の共謀罪に対する危惧、批判に応えようとしたものでしょうか。
与党は、共謀罪の「修正」によって野党と世論の妥協を引き出そうとやっきになっています。しかし、そもそも共謀罪は相談する事自体を犯罪とするものですから、いかなる「修正」をもってしても妥協できるものではありません。廃案しか選択肢はないのです。「共謀罪は廃案しかない」という私たちの基本的な立場を踏まえた上で、以下与党の修正案がいかに問題の大きいものであるかについて、批判します。

第1.全ての団体を対象とする言論・思想取り締まり法

与党の言う修正案で共謀罪の適用対象団体を「その共同の目的がこれらの罪(長期4年以上の刑のこと)又は別表第一に掲げる罪を実行することにある団体に係るものに限る」とし、これによって、与党は、市民団体、労働団体などに適用される恐れはないと主張しています。しかし、「市民団体、労働団体などには適用しない」とはどこにも書かれていません。書かれていない以上、与党がいかに釈明しようと、それは単なる「解釈」にすぎず、市民団体、労働団体も共謀罪の対象になるのです。
いかなる団体であれ、公然と共同の目的に「犯罪を実行する」ことを掲げることなどあるはずがなく、「犯罪を実行する」ことを目的とする団体であるかどうかの判断は捜査当局にゆだねられることになります。共謀罪が約620もの犯罪に該当する行為を話し合うこと、「合意」を対象とするものであることを考えるならば、全ての団体がいつ「犯罪の実行」を目的とする団体とされるか全くわかりません。まさに「知らない間に共謀罪」です。

第2.与党は共謀で「資する行為」がなくても、逮捕可能と説明

与党修正案で共謀罪の成立には「その共謀をした者のいずれかにより、その共謀に係る犯罪の実行に資する行為が行われた場合」を要件とするように改められました。与党は、この修正によって、共謀罪は話し合うことを処罰するもので、言論・思想の自由を侵害する思想の処罰になるという批判は成り立たないとしていますが、これもまた、与党による単なる「解釈」にずぎず、共謀罪が思想の処罰を伴うという基本的な性格に何らの変更もありません。
修正案にある 「資する行為」とは顕示行為のことというのが与党の「解釈」ですが、これでは「資する行為」とはなにを指すのかがはっきりしません。「資する行為」の「解釈」を条文の中で明確にすべきです。
顕示行為とは「犯行の意思が実際にあるという推測を助ける目 に見える行為事実」のことといわれていますがですが、これは共謀のほかに「なんらかの行為」 があれば共謀罪は成立するというものです。
4月25日の法務委員会で、この「資する行為」とは何かについて、与党委員は例として「犯行現場の下見をするために共犯者との集合場所に赴く行為や凶器を購入するために銀行口座から金を引き出す行為、犯行現場に赴くためのレンタカーを予約する行為」などをあげていますが、銀行口座から金を引き出す行為やレンタカーを予約する行為は市民が日常的に行う行為であり、共謀と関連する行為かは定かではありません。このように「資する行為」がいかに漠然としたものか明らかです。
4月25日と28日の委員会で、与党委員から共謀があれば被疑者の逮捕は可能という決定的な発言が飛びだしました。要するに「資する行為」はあとで実証すれば事足りるというのです。 共謀罪の要件に「資する行為」 を加えたとしても、犯罪の実行の着手がない以上、共謀罪の言論・思想処罰法という性格は何も変わりません。ここに与党修正案の核心があります。与党修正案の「資する行為」は、共謀罪の不当な適用の歯止めにもなりません。

第3.共謀の立証は警察による盗聴・スパイ・密告の奨励しかない

共謀罪は、話し合うことが罪になる法律であり、何ら行為が外部に現れない「合意」を処罰するものです。とすれば、どうやって共謀を立証するのでしょうか。
それはスパイの潜入や密告の奨励、盗聴などによるしかありません。この点は、「自首した者の罪を減免する」という規定もそのままで、まったく原案と変わるところがありません。共謀罪は、警察などによる密告社会、監視社会への道をおしすすめる法律です。

話し合うことが罪になる共謀罪・共謀罪修正案は言論・思想・結社の自由を侵害する憲法に反する立法であり、市民の自由で自立的な活動・運動を阻害する法律であって、私達は、絶対に認めることができません。共謀罪は廃案しかありません。
衆議院法務委員会は違憲の法案である共謀罪をただちに、廃案とすべきです。審議無用の強行採決などもってのほかです。