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与党の共謀罪修正案に関する声明
―私たちは共謀罪の廃案を求めます―

2006年2月20日
 

盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会

  • 連絡先
    日本消費者連盟 TEL 03-5155-4765
    JCA-NET(広報室)TEL 070-5580-0563
    ネットワーク反監視プロジェクト(小倉)TEL 070-5553-5495
     

 

 報道によると、2月14日、与党は修正案を民主党に対して提示したとされています。その内容は明らかになっていませんが、与党修正案は、継続審議となっている共謀罪新設法案の二点を修正するというものとのことです。

 一点は、対象団体を「その共同の目的がこれらの罪を実行することにある団体」に限定するとし、これがマスコミ報道で「組織的犯罪集団に限定」されたとする根拠になっています。「これらの罪」とは、法務省が明らかにしている600をこえる対象犯罪のことです。
  もう一点は、共謀罪には「犯罪の合意」だけではなく、「犯罪の実行に資する行為が行われた場合」という要件の付加です。
  この与党修正案は、新聞報道でされているように「組織的犯罪集団」などに限定されるものではありません。以下で詳しく述べるように、修正案は共謀罪の危険な本質を隠蔽するにすぎず、私たちは改めて共謀罪は廃案しかないことを強く訴えます。

(1)対象団体に関する「修正」への批判
  対象団体を「その共同の目的がこれらの罪を実行することにある団体」に限定するということは、「組織的犯罪集団に限定」したものとはなりません。社会のどこに「共同の目的」を犯罪を実行することにあるなどと謳っている団体があるでしょうか。危険な団体かどうかの認定は、捜査当局の恣意的判断によることが特別国会の衆議院法務委員会の質疑で明らかになっています。しかも共謀罪の対象犯罪は市民生活にも関わる600を越えるものです。市民団体や労働団体・株式会社等が「組織的犯罪集団」にされる危険性は払拭されません。

(2)「共謀」認定に関する「修正」への批判
  「犯罪の実行に資する行為が行われた場合」の「資する行為」とは、準備行為をさすのか、顕示行為をさすのかはっきりしません。何をもってそれとするのか非常に曖昧です。これも捜査当局の恣意的判断によることになるのは必至です。
  日本の刑法では殺人罪に準備行為を処罰する予備罪がありますが、それは殺人のために包丁を買うとか下見をするとかの具体的な行為があたるとされています。顕示行為はこの準備行為よりさらに緩やかな行為です。
  共謀罪に準備行為や顕示行為の要件を加えたとしても、それらは犯罪の実行着手以前の行為であり、共謀罪は言論・思想を処罰するものという批判から逃れることはできません。

 共謀罪は、思想・言論・表現・結社などの自由を侵害する違憲の法律であり、犯罪が実行され被害が生じて初めて処罰するとするこれまでの刑法の原則を根本から覆すものである、と私たちは批判してきました。
  与党修正案は、そうした私たちの危惧に応えるものでは全くなく、修正によってその危険性が減ずるものではないことが明らかです。私たちは、野党が修正協議に応じることなく、断固として反対されることを切に願っています。また、マスコミは政府の世論操作の罠にかかる誤りをおかさぬよう、事の本質をしっかり見抜いて報道してください。
  話し合うことが罪になる共謀罪は廃案しかありません。
  私たちは、市民の自由で自立的な活動を阻害し、平和と民主主義を脅かす共謀罪の新設に断固として反対します。

以上

 
【資料】 与党が14日に民主党に示した共謀罪の修正案
 

(組織的な犯罪の共謀)
第6条の2

1 次の各号に掲げる罪に当たる行為で、団体の活動(その共同の目的がこれらの罪又は別表第一に掲げる罪を実行することにある団体である場合に限る。)として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、その共謀をした者のいずれかにより共謀に係る犯罪の実行に資する行為が行われた場合において、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

一 死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪 5年以下の懲役又は禁錮

二 長期4年以上10年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪 2年以下の懲役又は禁錮

2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、第3条第2項に規定する目的で行われるものの遂行を共謀した者も、前項と同様とする。

 

※ 組織的な犯罪の共謀罪の規定の適用に当たっては、思想及び良心の自由を侵し、又は団体の正当な活動を妨げるようなことがあってはならない。

※ 証人等買収罪の規定の適用に当たっては、弁護人としての正当な活動を制限するようなことがあってはならない。