盗聴法<組対法>に反対する市民連絡会 >共謀罪とはなにか? どうして反対するのか> 【イベント報告集】
   

10・29共謀罪を廃案に! 講演会


2006年10月29日

 

 「共謀罪を廃案に!」と題した講演会が10月29日、渋谷勤労福祉会館で開催された。主催は共謀罪に反対するネットワーク。

 渋谷勤労福祉会館にて。参加者は60人。何度も死んだふりをしながら成立の機を狙う共謀罪、この法案の問題点を様々な角度から検討するために講師3人から話をうかがった。

◇◇「サイバー犯罪条約とコンピューター監視法案」──── 小倉利丸さん(富山大学教員)

 コンピューター監視法案が国会に提出されており、サイバー犯罪条約の締結にともなうハイテク犯罪のための法整備といわれているが、共謀罪を補完するためのセット法案だという。その背景には、ネットやコンピューターの普及で力をつける民衆運動を押さえるために、人々のコミュニケーションをコントロールし、グローバルな監視体制に置くことが狙いである。

 この法案の問題点はネットワーク越しの差押と通信記録の保全(90日間)が可能となること。それにより人間関係は特定されてしまうので、プライバシーが守られなくなり、市民運動だけでなく、弁護士や政治家までもが影響を受けることになる。
  さらに盗聴法改悪への布石となり、ますます市民的自由が侵害されてしまう。まだこの条約を批准していない国も多く、国際的な反サイバー犯罪条約の運動の必要性を説かれた。

◇◇「国連越境組織犯罪条約と共謀罪」────────── 海渡雄一さん(弁護士)

 共謀罪を強行採決してはならない理由を、越境組織犯罪条約とその立法ガイドとの関係の中で7点にわたって具体的に説明された。
大きな点としては、この条約が国連で起草された時点で日本政府が「共謀罪や参加罪の導入は日本の法原則になじまない」として「行為参加罪」を検討していたこと、そして立法ガイドが「条約の精神に則っていれば、共謀罪の立法化を必ずしも求めていない」ことなどを明らかにされた。

 また世界各国の共謀罪導入状況が政府の説明と大きく違い、肝心の米国が条約第5条を留保(「留保」については 共謀罪を廃案に! メルマガ 6号 2006年11月3日「共謀罪 Q&A」を参照してください)
していた事実を知りながら隠していたことに至っては、虚偽答弁であると批判した。最後に個人の考えとして、条約への批准は原則としながらも、共謀罪は修正ではなく、廃案しかないとの立場を表明された。

◇◇「共謀罪と組織的犯罪処罰法」──────────── 宮本弘典さん(関東学院大学教授)

 刑法がこれまで局所局面で人々の連携を断ち切るために使われてきたこと、現在はブッシュ・ドクトリンにみられる予防的・先制的犯罪闘争=捜査は、イラクのフセイン政権を打倒したように実害がなくても国際協調と組織犯罪処罰のためとして予防介入が正当化されてしまった。

 中世から刑法は市民を選別・分断する道具として機能していたが、現代の共謀罪もまたその機能を担う。教基法改悪や国民保護体制などは、新しい国家つくりではなく、戦争国家への追認でしかない。社会的基盤のないところに共謀罪や反テロ法など作れるわけもなく、すでに作れる基盤はあるのではと疑問を呈された。

 共謀罪をめぐっての話は多岐にわたり、非常に興味深く、共謀罪廃案への意思が参加者の間でさらに確認できたものと感じられた。

 


講師写真 上から
小倉利丸さん
海渡雄一さん
宮本弘典さん